共和国広場

旧市街地区の東の外れが、黒い火薬塔とアール・ヌーボゥの市民会館が並んで建つ共和国広場。火薬塔の左手に真っ直ぐ伸びているのが通称プラハの銀座通り、ナ・プシーコピェ通り、これを行くとやがて500m程で左手に伸びる全長700mの街一番の繁華街ヴァーツラフ広場の付け根ムーステクに至り、さらに真っ直ぐ行けば22番の市電の路線と一緒になり、カレル橋より一つ上流の国民劇場のあるレギー橋、プラハ城とカレル橋が一度に眺められる市内で一番眺めの良い川岸に出られる。一方そのまま火薬塔を抜ければそこからが王道、歴代のボヘミア王がプラハ城内聖ヴィート大聖堂の戴冠式に臨むためにパレードしたローヤル・ストリートで、その通称プラハのプチプチ青山通り、ツェレトナ通りを行くとこちらも500m程で旧市街広場。そして旧市街広場に聳える、からくり時計のある旧市庁舎前の細い路地横丁、通称プラハの市場通り、メラントリホヴァ通りを行くと5分程でヴァーツラフ通りの付け根ムーステクに繋がる。イメージとしては、火薬塔を頂点に、旧市街と新市街の境目・プラハの銀座通りと、戴冠式パレードの王道・プチプチ青山通りが、二等辺三角形の二辺をなし、底辺にやや湾曲した市場通りがある感じで、それが街中散策の目安になる。ちなみにこの共和国広場は渋滞で二進も三進も行かない街中の鬼っ子として有名だったが、現在市電しか乗り入れできない居心地のよい広場として整備された。聖ヨセフ教会の横には、200の店舗が入った桜桃色のパラディウムという、三階には回転寿司もあるファースト・フードの店が並ぶショッピング・センター、その向かい側の黒いモダンな建物が旧体制時代からあるコトヴァというデパートで、どちらも地下には大食料品スーパーがあり、広場の一角、市民会館の前のチェコ・ミュージカル専用劇場脇の地下鉄B線駅入口付近では不定期で産地直送の市も立つようになった。この劇場はもとはローマ風古典様式のウ・ヒベルヌ宮殿で、主に工業製品関係の大見本市会場だったがそれ以前は18世紀初頭中庭でボヘミア最初のジャガイモが栽培された修道院。火薬塔の向かい側にある巨大な威容を誇る近代建築はチェコ国立銀行。見ると銀行向って左隅にショパンのレリーフがある。この通称「音楽の十字路」には19世紀、著名な音楽家達が泊まった宿屋が軒を接していた。チャイコフスキー、ベルリオーズ、リスト、グリーク、パガニーニ、ワグナー。サン・サーンスはその宿屋の一つでプラハが霊感を与えたと自ら語った組曲「動物の謝肉祭」を作曲する。そこに出てくる美しいチェロのソロが奏でる白鳥の曲は、このプラハのヴルタヴァ川に浮かぶ白鳥の姿を眺めながら作曲されたのかもしれない。
 白鳥の 空の青街の黒にも 映える日々

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