王城跡地

この跡地の四隅には、第二次大戦で誤爆されたパラツキー橋にあった四体の大きな彫刻が立って居る。そのうちの一つ、左手を高くあげているのがプラハの街の栄光が星々にまで届くと予言をしたリブシェで、傍らにすわっているのがリブシェの夫、牛をつかって畑を耕していたプシェミスル・オラーチ。彼はリブシェとの結婚に際し、どんな華やかな生活の中にあっても、自分が一介の農夫だったことを忘れないためにと、長年履き古した泥長靴と、乗り古した馬の鞍を持って結婚の祝宴に臨んだと云う。このチェコの物語の原点とも云える王子様とお姫様の話は、与太郎や寝太郎や村の粉屋や町の靴屋とお姫様、王子様と水車小屋の娘、お針子、眠り娘、灰かぶり姫と云うように、最終的には王子様とお姫様になるふたりを主人公に、魔女や妖精、河童やドラゴン、鬼や仙人、おそらくケルトの頃の、日本でいうなら縄文期の密なる自然との記憶を蘇生させながら、魔法あり冒険あり試練あり、時には歌や踊りも運もあり、そして最後はかならず、真、善、美、がひとつになった愛で終る、しかも、俳優、衣装、音楽をはじめ、大道具小道具、脚本、カメラ、照明、技術、他大勢、自然まで、気持の乱れなくひとつに仕上がり、つまり、ことお芝居に関しては日本の俳句のように裾野がひろく、子供から人生の酸いも甘いも噛み分けたお年寄りまで、どの年代の人が見ても人間を楽しめる人生への深く豊かな洞察に富んでいる、このチェコ語で、ポハートカという、特別な気持ちとニュアンスを醸し出す分野は、ラジオにテレビにヴィデオに映画にとメディアを変えていまなお語り継がれ、特にクリスマス前後はテレビ番組も新旧のポハートカが目白押しになり、年の暮から新年にかけて、独特な雰囲気が織りなす言わば風物詩となっている。
 ピストルと ロボット ドルに ポハートカ

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