聖イジー教会

プラハで最も保存状態の良いロマネスク様式の教会がこの聖イジー教会。正面だけが赤っぽい壁でバロック時代に改装されたが、結果的にロマネスクとバロックという六百年隔たったデザインが共存するというプラハならではの景観になっている。後方に立つロマネスクの白い二つの塔をよく見ると多少大きさが違っている。向って右南側の塔の方がやや太めで左北側の塔がややスリムだ。太めの方がアダムの塔で、スリムな方がイヴの塔。中に入ると、柱もどっしりとして、後陣の13世紀ロマネスク期の剥げ落ちた壁画のある丸天井は石組だが、舟形と呼ばれる手前の天井は木で組まれ、全体的に、10世紀、このプラハ城が築城されたころの面影をまだ色濃く残している。この教会の地下は歴代ボヘミア王族関係者の地下墓地で、プラハ城を築城したプシェミスル・ボジヴォイ公の妃、ルドミラの黄金のマスクを附けた遺体のあったお棺もそこで発見される。彼女はマケドニアから来た宣教師キリルとメトディウスの洗礼を受けるが、義理の娘にお祈り中に後ろから首を絞められ暗殺される。古いドラゴン退治の浮き彫りが残る正面祭壇右手の礼拝堂は、そのチェコ守護聖人の一人であるルドミラの礼拝堂。前面のバロック期の壁の右手は聖ネポムーク礼拝堂で、小振りながら螺旋型の柱が祭壇を飾り、遺骨も見えるように展示した典型的なバロック様式。外側の入口上部には、ブロコッフ作のこの聖人の像も立っている。教会に向って左の素朴な建物は、973年建造のボヘミア最初の女子修道院。当時の中庭もそのまま残り、修道院の一画には絵写本の製作所も現存している。この修道院は1782年、ヨーゼフ二世の修道院解散令により廃止され、一時兵舎としてもつかわれたが、1962年から1974年に一部改装され、国立ギャラリーのチェコのゴシック、ルネサンス、バロックの、絵画彫刻部門のミュージアムとして生まれ変わった。
 あれなんぞ どらごんイジーに 苛められ

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